お好み焼と日本食の文化を欧州で広める
パリ支店、開設のお知らせ

ニュースリリース 2024年06月03日
お好み焼と日本食の文化を欧州で広める
パリ支店、開設のお知らせ
 オタフクソース株式会社(本社:広島市西区、代表取締役社長:佐々木孝富)は、フランス・パリに支店を開設いたしました。
 日本食はブームに留まることなく、日本へのインバウンド旅行者はもちろんのこととして、世界各国で食べられるほどに定着してきました。海外における日本食レストランは約18万7千店あり(2023年)、2019年(約15万6千店)比で約2割増加*していることからも、今後、ますます広まっていくことが期待できます。
 当社では、お好み焼などの鉄板粉ものメニューを日本食の一つとして世界に広めたいと考え、活動を続けています。このたびはフランスに拠点を設け、欧州での展開にも注力してまいります。

■欧州に開設する目的
 欧州には日本食レストランが約1万6千店(2023年)あり、2019年から約4000店増加*しています。このデータと同様に、当社の欧州での売上(輸出)も、2023年9月期は2019年9月期の約2倍に伸長しました。日本食の人気はこれからも継続し、ますます高まると期待できます。
 そこで、より欧州に根差した事業活動を推進するため、数年前から拠点を構える検討を始め、このたびの開設に至りました。
 レストランや小売店などへのアプローチ、試食販売やイベントなどへの積極的な参加により、ユーザーとのコミュニケーションの機会を増やすことで、当社と商品を知っていただきます。将来的にはプライベートブランド商品の開発依頼への対応や、日本以上に環境保全に対する基準が高い欧州で、包装資材などに関する取り組みを学び、自社にも取り入れたり、日本へも展開したりしたいと考えています。
 また、駐在することで、輸入規制や法規改正など欧州のルールに関する情報が得られやすくなり、迅速に対応できることはもちろん、万が一のトラブルが発生した場合にも三現主義を徹底する所存です。
*農林水産省 海外における日本食レストラン数調査(令和5年・令和元年)より

■パリを選定した理由
 当社の欧州における国別の売上は、上位からスペイン・ドイツ・オランダ・イギリス、そしてフランスの順ですが、パリは欧州のビジネスの中心であることはもちろん、ハブとしての機能が高く、これらのどの国にもアクセスしやすいことや、外食産業の規模が大きいこと、また、ファッション・アート・グルメなどの文化が根づいており、その発信による影響力があることなども選定の理由です。

■目標
 お好み焼をはじめとする鉄板粉もの文化の拡大、ならびに日本食総合調味料メーカーとしての認知の向上により、欧州における2027年9月期の売上目標を10億円とします。(2023年9月期の2倍強)

■概要
支店名オタフクソース株式会社
国際事業本部 海外営業部 パリ支店  
所在地27 Avenue de l'Opéra, Paris, 75001
責任者支店長 朝倉 圭輔
事業内容液体調味料などの営業・販売
事業開始日2024年6月1日
社員数1名

▲オフィスはこの建物の一室

オタフクホールディングス株式会社 広報部 小原・鍵村
〒733-8670 広島市西区商工センター7丁目4-27
TEL:082-553-9961 MAIL:ota-pr@otafuku.co.jp
受付時間:月曜~金曜日 9:00~17:00(土・日・祝 除く)


オタフクソースの海外展開について

Ⅰ.海外市場への対応
 海外へ本格的に展開したのは1990年代です。商社を介して、海外に暮らす邦人向けに家庭用のお好みソースなどを輸出していました。1997年に国際事業本部を新設して輸出事業を強化。1998年には米国(ロサンゼルス)に現地法人を設立(現在のOtafuku Foods,Inc.)し、北米を中心とする営業活動を始めました。
 その後、2013年にOtafuku Foods,Inc.ロサンゼルス工場を新設したほか、同年、中国(青島)に大多福食品(青島)有限公司、2016年にはマレーシア(セランゴール)にOTAFUKU SAUCE MALAYSIA SDN.BHD.を設立。工場および米州・亜州への営業活動の拠点としています。
 パリ支店では、日本からの輸出商品のみならず、この3工場の生産特性をいかした商品開発を行い、多様な食文化に対応できる調味料を販売したいと考えています。なお、パリ支店は、台北(2018年設立)に続き海外では2支店目です。

 また、海外展開を見据え、2018年、長年使用してきたロゴマークをオタフク(カタカナ)からOtafuku(アルファベット)に変更し、日本国内の4工場で生産する商品は、輸出商品のみならず国内販売商品もすべてOtafukuブランドとして販売しています。



Ⅱ.欧州における販売について
1.販売の状況
 ①品目別
  お好みソース、焼そばソース、たこ焼ソースなどソース類が約6割。
  寿し酢、純米酢など酢類が約3割。
  約1割がたれ、天かすなどお好み焼・焼そばの関連食材。
 ②家庭用商品と業務用商品の売上比
  約5割ずつ。
  家庭用商品ではお好みソース、焼そばソース、業務用商品では焼そばソース、お好みソースの順で上位。

2.販売の方法
 日本で製造した商品を輸出し、販売しています。
 海外営業部営業一課の社員が、年に数回、日本から出張し、デモンストレーション販売やイベントへの出展により、お好み焼などのメニューや商品のご提案を行っています。今後、欧州におけるこのような活動については、パリ支店が担当します。
 当社は、日本でも、お好み焼などメニューの味を知っていただき、メニューを広めることに重点を置く方針で事業活動を行ってきました。また、BtoB(お好み焼店様や惣菜メーカー様など)のお客様の製品開発で学んだことをヒントにして、BtoCの商品へと展開し、時代に合った、お客様が求める調味料づくりにいかしています。2021年7月に策定した中期事業計画では、この方法を海外でも同様に展開することを掲げています。
 パリ支店でも、欧州のお客様のニーズに迅速に応え、お好み焼など鉄板粉ものメニューとの出合いの機会を増やしてきたいと考えています。


Ⅲ.欧州におけるお好み焼
 当社調べでは、現在欧州での専門店はお好み焼が34店、たこ焼が10店、合計44店あり、そのうち10店はこの3年に新規オープンしました。
 2023年6月には、パリにあるお好み焼店様を会場にお借りして、「オタフク感謝祭」を行い、これらの店舗の方々と交流しました。店主やスタッフ、またお客様は、日本人のみならず、現地の方も少しずつ増えており、お好み焼やたこ焼が欧州の方に徐々に認知いただけていることを感じました

 2024年1月にはパリコレに出展した日本ブランドの会場で、モデルやスタッフ、メディアなど関係者の方々へお好み焼を提供しました。
▼パリコレでの様子はこちら▼

 このようにお好み焼が世界中で好まれる理由として、その味のみならず、キャベツなど野菜をたくさん食べられてヘルシーであること、食材を足したり引いたりできるので食習慣や嗜好にも対応しやすいことではないかと考えています。パリコレではベジタリアン向けとして、豚肉を使用しないお好み焼を提供しました。(輸出用のソースには動物性由来の原料を使用していません)

 また、お好み焼そのものはもちろんのこととして、お好み焼を囲んで生まれる笑顔やコミュニケーションもその魅力の一つであると、これからも伝えていきたいと考えています。

 先日、英国で発刊される英語辞典の改定時に「okonomiyaki」が追加されたことが話題になりました。これまで、海外でのイベントなどで試食提供した際、「これは何?」と尋ねられると、「Japanese pancake」と説明が必要なことも多くありましたが、okonomiyakiとして世界に通用し始めている兆しを感じられました。
 それでも、まだ、「家庭でつくる」のではなく、「店で食べる」メニューであることが、海外売上の構成比から推測できます(家庭用より業務用の割合が高い)。ところが、Ⅱ-1-②のように欧州では家庭でも使われることが多く、お好み焼のみならず、当社および当社商品を認知してくださっていることも、欧州市場に可能性を感じる、一つの理由です。


 当社では、これからもお好み焼を中心とする鉄板粉ものメニューを世界中に広め、スローガンである「小さな幸せを、地球の幸せに。Borderless Happiness」を体現してまいります。
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