お好み焼き | お好み焼士のてっぱん道場

口の中に広がるハーモニーを聴こう!

広島お好み焼き

日本料理に欠かせない、「だし」。


かつお節や昆布など、食材を煮出すことによって作られるそれは、料理に豊かな「うま味」を付与してくれます。
この「うま味」は、実は広島お好み焼きにとっても、かなり重要な要素なのです。
今回は、「うま味と広島お好み焼き」が織りなす素敵なハーモニーに、皆さんと一緒に耳を傾けていきたいと思います!

そもそも、「うま味」ってなんでしょう?
まずはそこからご説明したいと思います。

うま味」とは5つの基本味のうちの1つです。
酸味塩味甘味苦味、そして最後の「うま味」の5つで構成されていて、これは、見た目や香り、食感、食事の雰囲気に影響される「おいしさ」を表す「旨味・旨み・うまみ」とは区別して使われます!

代表的な「うま味」をもつ食材として、昆布やかつお節があります!
歴史は古く、かつおは古墳時代から干し鰹や「堅魚煎汁」(かつおのいろり)と呼ばれる調味料として使用されていました。
北海道で生産が盛んであった昆布は、北前船と呼ばれる交易船によって本州に運ばれ広まっていきました。
かつお節や昆布が広がったことから、だし文化が発達し、今日世界に誇る日本食にも欠かせないものとなりました。

「うま味」のことが分かってきたところで、ここからは「うま味と広島お好み焼き」について深掘りします!
広島お好み焼きにとって、うま味は一体どのような役割を果たしているのでしょうか?

まず、広島お好み焼きにうま味を付けるために、どんな食材を使用していると思いますか?
よく使用されるのは、かつおやさば、いわしなどを粉末にした「魚粉」や「かつお節」です!
どちらとも動物性のうま味成分である「イノシン酸」が含まれています♪
野菜やお肉にも「うま味」成分は含まれていますが、魚粉やかつお節の「うま味」を足すことで、よりおいしいお好み焼きになるのです!

今回は「魚粉」と「かつお節」を使用する時は、どんなかけ方が美味しいのか?
実際に検証してみることにしました!

一般的に、広島お好み焼き店さんで主流なのは
豚肉を乗せる前
生地の上
の2パターンです!

今回はオタフクおすすめのお好み焼きの焼き方に沿って焼いていきます。
生地→キャベツ→天かす→ネギ→もやし→魚粉orかつお節→豚肉 という手順)
まずは、“①豚肉を乗せる前に魚粉をかける方法”です。
もやしをネギの上に乗せた後、魚粉を全体的にうっすら色づく程度に振りかけます
同様にかつお節ももやしの上にまんべんなく振りかけます。

出来上がりを試食してみると、魚粉をかけたものはお好み焼き全体にうま味が感じられます!
もやしの臭みも魚粉のうま味でうまく消されていい感じ!
かつお節をかけたものを食べてみると、おや?少し焦げてしまって苦みが出ています。
もやしの上にかつお節をおくと少し焦げやすいみたいですね!


次は、“②生地の上に振りかける方法” でやってみましょう。
生地→魚粉orかつお節→キャベツ→天かす→ネギ→もやし→豚肉 という手順)
生地を引いた上に魚粉、かつお節をかけ、それ以外は①と同じ条件で焼いていきます。

それでは試食してみましょう!
魚粉をかけているものは生地にしっかりうま味がついていますね!
下味のついていない生地を使用する場合は、このやり方がおすすめです!

かつお節は、生地の上に乗せた時にとっても良い香りがしますね!
出来上がりも、うま味がしっかり感じられました。
生地の温度を測ってみると、100℃付近まで上昇していました。
かつお節は100℃程度の温度でだしを取るので、かつお節のうま味を引き出すのにぴったりの温度だと言えますね!

試してみた結果、魚粉は豚肉を乗せる前かつお節は生地の上にかけるのがオススメです!

 

その他の食材についても検証してみました!
一つ目はうどんなどに入れるとろろ昆布!
昆布のうま味がしっかりついてくれること、間違いなしです!
豚肉を乗せる前にトッピングして焼いてみました!
・・・昆布のうま味が感じられて美味しい!
けど濡れた手でとろろ昆布をちぎりながら乗せるのは、少し手間にも感じてしまいますね。
あるお店では、夏場に扇風機の風でとろろ昆布が飛んで行ってしまった!
なんてこともあったそうですよ!

二つ目は、昆布を粉末にした昆布粉をかけてみます!
先程と同じように試してみると、とろろ昆布と同じく昆布のうま味を感じることができました!
美味しさは変わりませんでしたが、かけやすいのは昆布粉ですね!
昆布粉をかける場合は、魚粉に混ぜてしまえば振りかける工程が1回でよくなるので、時短におすすめですよ!
私のお勧めは、魚粉と昆布粉を2:1で混ぜて使用することです!
魚粉に含まれるイノシン酸と昆布に含まれるグルタミン酸2種類のうま味成分を混ぜて使用することで、1種類を使用するよりもより強いうま味を感じられます。
これを、うま味の相乗効果と言います!

さて、みなさんいかがでしたでしょうか。
お好み焼きを焼かれる際は、ぜひ色々なうま味食材を使って試してみてください!
そして「うま味と広島お好み焼き」の素晴らしいハーモニーに耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
参考:Umamikyo.gr.jp

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