創業商品「酢」への思いをこめて
お多福醸造ウェブサイトをリニューアル
~お多福酢、おいしさの決め手はやはり「水」でした~

ニュースリリース 2024年02月01日
創業商品「酢」への思いをこめて
お多福醸造ウェブサイトをリニューアル
~お多福酢、美味しさの決め手はやはり「水」でした~
 お多福グループのお多福醸造株式会社(本社:広島県三原市大和町、代表取締役社長:佐々木 孝雄)は、ウェブサイトをリニューアルいたしました。

 コンセプトは「みずに、まじめで。」 です。
  お酢は、93.3%が水でできています*1。そこで、お酢のおいしさは水が決め手になるのではと考え、改めてお多福醸造大和工場周辺の水を調査しました。そして、①水 ②環境 ③製造方法をポイントとして、お多福酢のおいしさのひみつを、当サイトにまとめました。

 調査を依頼したのは、玉川大学 農学部 先端食農学科 講師の佐々木慧先生*2です。
 佐々木先生には「お水ハカセ」としてサイト上にも登場いただき、助手のマモルくんとともにわかりやすく解説していただきました。これらの情報は7本の動画(YouTubeショート)にもまとめ、ふたりの微笑ましい掛け合いにより構成しています。(サイト上で公開)

 当社はこれからも、大和の水とともに豊かな自然を大切にし、まじめにお酢づくりを続けながら、お酢の醸造の文化を継承、発信し、製品を通じてお客様に喜んでいただけるよう取り組んでまいります。

<お多福醸造ウェブサイトより>大和工場。
中央にお水ハカセと助手、左右はお多福醸造でお酢づくりに取り組む社員。(2023年撮影)

〔お多福醸造ウェブサイト〕
https://www.otafuku.co.jp/otafukujozo/

*1 日本食品標準成分表2020年版(八訂)穀物酢より
*2 佐々木慧先生プロフィール
 玉川大学 農学部 先端食農学科 講師。2014年広島大学生物圏科学研究科修了。博士(農学)。2014~2015年原子力イニシアティブ学術研究員。2015~2022年広島国際学院大学 食農・バイオリサイクル学部 講師。2022年4月~現職。広島県内の各地の名水鑑定を行っている。また、水質と醸造の関係について着目し、2017年に軟水醸造法に関する記事を生物工学会誌で執筆。


オタフクホールディングス株式会社 広報部 鍵村
〒733-8670 広島市西区商工センター7丁目4-27
TEL:082-553-9961 MAIL:ota-pr@otafuku.co.jp
受付時間:月曜~金曜日 9:00~17:00(土・日・祝 除く)



参考資料

当社と酢の歴史


創業者夫婦の願い
1922年、醤油類の卸と酒の小売業 佐々木商店として創業した当社は、当時から数種類の醤油をお客様の好みに調合し、販売していました。1930年ごろには、広島市内の醸造元から桶買いする辛口と甘口の日本酒をブレンドして販売し、「佐々木商店のものはうまい」と、お客様から高い評判をいただいたようです。
創業者 佐々木清一は、「多くの人に喜んでいただきたい」という思いで商いを始め、妻・ハヤの「幸せを売れたらええね」という言葉にさらに決意を固めました。そして、鍛錬を続けたブレンドする技術を活かし、「もっと多くの人に喜んでいただきたい」と本格的にものづくりに挑戦することを考え始めるのです。


ものづくり黎明期
そのころ、広島には軍需品の補給や輸送を統括する兵站司令部が置かれ、宇品港は輸送基地となり、軍都として活気づいていました。「広島の軍需部から醸造酢の製造要請が出た」という情報もあり、清一は酢づくりを候補として考えていました。
ほどなくして佐々木商店は広島県から要請を受けます。そして、1938年、清一の夢は時代に背中を押され、ものづくりが始まりました。


「お多福酢」の誕生
醸造酢を一からつくるために、清一は奔走します。人手を集め、酢蔵をつくり、原料を集め、麹を育て、発酵させて酒もろみをつくり、米酢へと仕上げる。独学で体得しながら、社員らと試行錯誤します。良質の水にこだわり、発酵方法を改良し続け、知恵と汗の結晶である米酢ができあがりました。
銘柄にもずいぶん悩み、あるときひらめいたのが「お多福酢」でした。佐々木商店をともに始め、いつも応援してくれたハヤの笑顔、多くの人が喜んでくださる笑顔を願っていたからこそ、この名前に結びついたのかもしれません。
ものづくりの始まりは、後に社名となる「オタフク」の始まりでもあります。


戦争を乗り越えて

この「お多福酢」が宇品港を経由してフィリピンなどに納められていたことは清一の誇りであったと、記録が残っています。世界中で商品を扱っていただけるようになった今の当社を、創業者は喜んでいるはずです。
そして、1945年。原爆投下により店も酢蔵も家も全焼します。当面は家族一丸となって食堂を運営し、軌道に乗せると、翌年の春、別の場所にある酒蔵を賃借して醸造酢の製造を再開しました。


お多福醸造株式会社と商品開発
1952年には工場を移転し、「お多福造酢株式会社」を設立。
1955年には合せ酢の「寿司酢」を発売します。広島市内の寿司店や食堂を訪ねて現状を知り、「誰がつくってもおいしい寿司になれば、みんなに喜んでもらえる」と願いを込めて、開発に取り組みます。「まずは寿司のつくり方を学ばせていただくことだ」と考え、連日店に通って、親方や職人、女将らと人間関係を築きながら味をつくりあげました。
この寿司酢に続く商品として、同年に誕生したのが「らっきょう酢」です。大量のらっきょうを実際に漬けて試作と研究を重ねました。そして、塩漬け、塩抜きという難しい工程をなくして、らっきょう本来のおいしさを残して漬けることができる「お多福酢 らっきょう用」が完成します。多くのご家庭で「毎年おいしいらっきょうが漬けられる」と好評をいただきました。


おいしい水が縁を結び、大和へ

1986年、広島県賀茂郡大和町から、工場建設を誘致していただきます。そのころ当社の商品はお好みソースを中心に全国へ展開できるようになっており、生産量が増え、商工センターの本社工場(1978年に移転)は手狭になっていました。そして、緑豊かな大和町へ工場を全面移転する計画に着手します。不純物の少ない良質な軟水で生産できることが最大の決め手でした。
ところが造成工事直前に古墳が出土。予定地の約五分の一のみを造成して造酢専用工場のみを建設することにし、1990年、大和工場は完成しました。太古の人々もおいしい水を求めてここで暮らしていたのかもしれません。


酢は万能調味料

この大和工場で醸造した酢は、広島市西区の本社工場へ運び、充填(合せ酢は調合して充填)。そして、お好みソースなど、ソースの原材料としても使用します。
現在、当社の家庭用の酢・調味酢のラインアップは17品目あります。調味酢は、らっきょう、なます、千枚漬け、ピクルス、南蛮漬けなど、商品名にそれぞれのメニュー名をつけているものが多くありますが、そのメニューが最もおいしくなるように、また、漬ける・かけるなど用途に合わせて砂糖や食塩などを配合しています。甘味や塩味などの好みには個人差もあり、たとえば「らっきょう酢で酢飯をつくる」など、汎用される料理上手なお客様もいらっしゃいます。
「酢といえば、酢のもの」というイメージですが、お好みソースの原材料としての一面もあるように、炒め物や煮物などにも使用できるほか、ドレッシングにも応用できる万能調味料です。

*らっきょう酢で楽しめるメニュー*
鶏のこっくり煮

▶材料(2人分)
鶏手羽元6本程度、たまご2個、<A> お多福らっきょう酢150ml・醤油大さじ1~2・水カップ1
▶つくり方
①たまごは茹でて殻をむいておく
②鍋にらっきょう酢、醤油、水を入れて煮たたせ、手羽元、①を入れる
③煮立ったらアクをとり、煮汁が少なくなるまで煮込む

玉ねぎ漬けドレッシングのトマトかけ

▶材料(2人分)
トマト1個 <玉ねぎ漬けドレッシング> 玉ねぎ 中1個・お多福らっきょう酢100ml
▶つくり方
①玉ねぎ漬けドレッシングをつくる(玉ねぎをスライサー等で薄切りにし、らっきょう酢を加えて漬ける。約1時間~)
②トマトを1㎝程度の輪切りにする
③皿にトマトを並べ、中央に、たまねぎ漬けドレッシングを漬け液とともにかける
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